コミュ力の高い稀有な天才

今年(2024)亡くなられた世界的指揮者の小澤征爾さん、何故国民栄誉賞を受けていないのか?かく言う私も、最近まで好きな指揮者という訳でもなかった。理由は小澤さんのレパートリーに、私が好きなハイドンやブルックナーやワーグナーが比較的少なく、どちらかと言うとフランス音楽や近現代音楽が多いと感じていたから。そして「人たらし」(笑)と言われるお人柄と小澤さんの音楽の親しみやすさが、同じ日本人として、特別感が少ないという先入観があった。要するに解らなかったのです。しかし最近、小澤征爾指揮の特徴として#日本人特有の繊細さ、という評を目にしたとき、閉じていた何かが開く思いをした。

小澤さんは人一倍楽譜を勉強する。活動的な性格と感情の豊かさを持ち合わせ、指揮台で躍動感を持って指揮棒なしで指揮をする。母音で終わるという特徴のある日本語が母国語だ。

長年、古典派やブルックナー、ワーグナーを聞いてきて、音楽を聴くエネルギーが残り少なくなった身としては、食わず(聴かず)嫌いをしていた音楽群を、親しみやすく繊細で、研ぎ澄まされた洗練さを持つ小澤征爾指揮で聴いている。

みーちゃんさん 55歳 男性

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